連載◎第20回森の展示会へ。2010年02月23日更新
久しぶりにすっきりと青空が広がった週末。
軽井沢に共に暮らす友人のクラフト作家の展示へと出かけました。
「森の雫」というユニットを組むのは、木工デザインの山田ワタルさんと、グラフィックデザイン・イラストレーターの藤森智香理さん。同い年の仲良しご夫妻です。
初めてお二人にお会いしたのは、とある雑誌の取材で、ご自宅に伺ったときのこと。
静かな別荘地、周りの森に溶け込むように建つセンスのよい木造の家が、お二人による完全セルフビルドと聞いて、のっけから驚いてしまったのでした。
ワタルさんが作る温かみのある木製家具、智香理さんの描く優しいイラスト、そして赤々と燃える薪ストーブに、手入れの行き届いた庭...。
厳しくも自然豊かな軽井沢での暮らしを心から楽しんでいる二人の姿に、親近感と憧れを抱き、その後も会うたびに元気と刺激を分けてもらえる大切な友人です。

「森の雫」が大切にするのは、永く愛されるモノをつくること、そして、モノづくりの楽しさをたくさんの人に知ってもらうこと。
オリジナルの木製家具は、カタチそのものはごくシンプルでベーシック。素材を吟味し、昔ながらの技術を用い、化学的・人工的な接着剤や塗装材はいっさい使用しません。そのため、木の本来の香りや手触り、機能性に優れ、時間が経つほどに味わいを増していくような温かみが感じられるものばかり。
一見なにげないように見えるカタチの陰には、智香理さんいわく"1mmの世界にも手を抜かない!"ワタルさんの、緻密な計算に基づく丁寧で根気のいる作業が隠されています。
一方、智香理さんは、イラスト以外にも、かつて人形劇団にて製作を担当していた程の腕前を持つ人形制作アーティストとしての顔も持っています。
一昨年の春には、南軽井沢に、ギャラリー兼ショップ「Sizuku Style Shop」をオープンさせました。
こちらもすべてセルフビルド。仕事の合間を縫って、少しずつ、コツコツと造り続けていた二人。その姿勢こそが、「自然と共にスローに生きる」というモノづくりにこめるコンセプトを、そのまま体現しているようです。
ショップでは、作品の販売だけでなく、オーダー家具や住宅のリフォーム、インテリアの相談にも乗ってもらえるほか、実際に手作りの楽しさを味わえるワークショップなどの企画も行なわれています。

そんなお二人の、今年初となる軽井沢での展示会「山に暮らし、森に学ぶ」が、東急ホテルハーヴェスト旧軽井沢にて開催中です。
ホテルのラウンジに併設されたギャラリーは、足を踏み入れるなり木の香りがいっぱい。訪れたお客さんも「あらいい匂い!」と思わず声を上げていました。
テーブルやスツールなどの家具から、木工雑貨、そして智香理さんのイラストにワタルさんがオリジナルの額縁をあしらったものなど、まさに山や森を題材に自由に発想を広げた、オリジナリティあふれる作品が並びます。
今までとはひと味違う天然塗料を使ってみた家具、キャンパスに描かれた透明感漂う水彩画など、お二人それぞれに新しい領域にもチャレンジしていて...。
作り手のモノづくりに懸けるまっすぐな気持ち。そして、その「作ること」も含めた「森に暮らすこと」全部を楽しんでいる気持ちが、そのまま宿っているような清々しい作品たち。
実際の森はまだ冬眠から覚めませんが、ひと足早く、こちらの「森」で大きく深呼吸してみてはいかがでしょうか。

森の雫 EXHIBITION 2010
「山に暮らし、森に学ぶ」
期間:~2月28日(日)まで
会場:東急ホテルハーヴェスト旧軽井沢
軽井沢 Natural Craft 森の雫
http://www.mori-sizuku.com/
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著者紹介
藤野麻子
フリーライター&週末カフェ店主。

浅間山の麓、北軽井沢に暮らしながら、週末のみ自宅にてカフェ「本とコーヒー麦小舎」をオープン。
長野を中心に取材・執筆をちょこちょこと。麦小舎発リトルプレス「Forest & me.」の企画・編集に携わる。
www.mugikoya.com























