連載◎第14回古本屋あらわる。2009年10月15日更新

buriki+BOOKLUCKオープン

「読書の秋」ですね...、
なんて書くと、出版社か本屋さんが企んでつけたキャッチコピーにまんまと踊らされているみたい。だけども、日一日と夜が長くなり、そろそろストーブも恋しくなるような寒さになってくると、やっぱり「じゃあ家でゆっくり本でも読もうかな」という気分にもなってくるものです。
そんな時期に合わせて、我が舎(カフェ)では、念願だったあることを実行に移しました。

それは、小さな古本屋さんをオープンさせること。
一昨年の冬、自分たちで母屋の隣に納屋のような小屋を作りました。特にはっきりした使い道もないまま物置となっていたその場所を、一念発起片付けて、内壁に書棚やカウンターを造り付け。そこへ、アーティストと編集者の友人から、期間限定で預かった古本を並べてみる。大型の写真集から単行本の小説・エッセイ、子ども向け絵本、文庫、雑誌まで。本屋さんの見よう見まねで、積んだり重ねたり、表紙をおもてに向けてみたり。並べている間も、中身が気になってページをめくり、そのまましばらく没頭してしまうことも。

古本の風景

そうして完成した即席古本屋。
それぞれの本が癖があったり個性的なものが多いこともあり、なかなか面白い空間に仕上がりました。3人も入ればいっぱいになってしまうほどの小さなスペースなのですが、逆にその狭さが妙に落ち着けて、何時間でも篭っていられるような親密な雰囲気が漂います。

この親密さはきっと、そこに並ぶのが新刊本ではなく古本だからこそ醸し出せるものなのでしょう。ある人の手元で大切にされ、程よく年月を経た本たちには、じんわり熟成されたような穏やかな佇まいが備わって、「どうぞ手にとってみて」と静かに話しかけてくるよう。
しばらく見たり触れたりしていたら、どれもこれも愛おしくなってきて「売れてしまったら寂しいなぁ」と思い始めるハメに。これでは古本屋さん失格!古本屋稼業というのは、本が好き過ぎては勤まらないものなのかもしれません。

また、数日店番をしてみて不思議なことに気づきました。並べた位置や順番を変えた訳でもないのに、それまで意識していなかった本が突然目に飛び込んできたり、昨日は特に興味の持てなかった本が今日はイヤに魅力的に見え始めたりするのです。単に見る側の気持ちの違いなのか、はたまた、古本たちが共犯してイタズラを仕掛けてきているのか...。
「なあに、今日はアンタがやけに目立ちたがりだねぇ」などとブツブツニヤニヤしながら本を撫で回している私は、傍から見たら相当アヤしい人物に違いありません。

古本の風景

森のなかでふらりとコーヒーを飲みたくなって立ち寄ってみたら、前から探していた本に出会えた!なんてことがあったら、さぞかしハッピーな一日になると思いませんか? 少なくとも私には、曲がり角でばったり人とぶつかって倒れたら相手が小栗旬だった!と同じくらいのドキドキ感があります。(←次元が低くてスミマセン。)

読書の秋、小さなサプライズを楽しみに出かけてみてはいかがでしょう?(←と、さりげなくこの場を借りて宣伝しちゃってスミマセン!)

□期間限定古本屋「buriki+BOOKLUCK」オープン!
期間:10月10日~11月1日の金・土・日曜日
場所:本とコーヒー 麦小舎 http://www.mugikoya.com

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