連載◎第13回森の落としもの。2009年9月29日更新
初めての秋の大型連休。
お天気にも恵まれて、軽井沢の町もお盆休み並みの賑わい。
人波が去ってホッとひと息。ふとあたりを見回すと、もうあちらこちらで樹々の色付きが。ヤマウルシにナナカマド、メグスリノキ。
気温は、ぐっと冷え込んでニットが恋しくなったり、夏のような陽射しにまた汗ばんだり。これからは「三寒四温」ならぬ「三温四寒」で、徐々に秋本番へと向かいます。

ドサッ。ドサッ。
秋の森に響く不審な物音。
紅葉と同時にシーズンを迎えるのが、、、そう、栗。
家の回りでも、お散歩中に通る道端でも、今年は栗の実が大豊作!地面にわんさか転がっている。
我が家の庭で1、2を争う高さの栗の木は、もうだいぶお年を召していて、毎年実を付けてもほんのちょっぴり。山栗なので実も小さくて、わざわざ拾い集めようとは思わないのだけど、今年はどうも様子が違う。粒のサイズもおおぶりなものがたわわになって、重さに耐えかね次々に落ちてくる。
そうとなったら、食いしん坊の血が騒ぐ!軍手にトング、ビニル袋を片手に、いざ栗狩りへ!
庭の大木のまわりと、家の周囲を15分ほどぐるりとしただけで、袋いっぱい集まった。

コロコロ太ったまあるい栗は、姿かたちも愛らしく、満足満足...とニンマリ。
しかしっ!当然ながらこのままでは食べられず、そして「栗狩り」の本当に大変な行程はこれから。
一度でも経験した方ならお分かりでしょうが、この栗の鬼皮剥きという作業は、恐ろしく忍耐と時間(+時には指先に苦痛)を要するもの。私も数年前に試して以来、栗を見てもあまり食指が動かなかったのは、この作業で痛い目にあったから。
それでも目の前に山と積まれたこの子たちを放っておくわけにもいかず。
よし、今回は栗のペーストづくりに挑戦。(実は、私も主人も、栗が丸ごと入った渋皮煮やマロングラッセなどは少々苦手...。)
そこでふと、以前、友人から聞いた皮剥きの方法を思い出す。一般的には茹でたりぬるま湯に浸したりしてから剥くけれど、伝授されたのは、皮の表面に切り込みを入れてからオーブンで熱して、スプーンでかき出すというもの。切り込み部分から皮が割れるので剥きやすく、さらにほんのりローストされた芳ばしい香りがついて一石二鳥。うん、これなら相当ラクチン。(※ただしこの方法は、栗の実を丸ごと使いたい場合には適しません。)
かき出した実を、グラニュー糖と蜂蜜を加えてコトコト煮込む。裏ごしは面倒なので、あえてつぶつぶ入りもヨシとして。
キッチンに広がる甘い香り。秋の森からの贈り物。

ドサッ。ドサッ。
あぁ、また落ちている...。ほかのことをしていても、気になって仕方がない。
そのまま放っておけないのは、貧乏性だからなのでしょうか。
食欲の秋は、まだ始まったばかりです!
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著者紹介
藤野麻子
フリーライター&週末カフェ店主。

浅間山の麓、北軽井沢に暮らしながら、週末のみ自宅にてカフェ「本とコーヒー麦小舎」をオープン。
長野を中心に取材・執筆をちょこちょこと。麦小舎発リトルプレス「Forest & me.」の企画・編集に携わる。
www.mugikoya.com























