連載◎第11回夏の終わりの音楽。2009年8月28日更新

木の実

毎年お盆休みが過ぎれば、高原の夏はあっけなく幕を閉じます。
その終わり方はいつも、本当にストンと暗幕が落ちてくるような、ひらりとマントを翻して山の向こうに飛び去ってしまうような、未練も何もないような変わり身の早さに、住人たちは置いてけぼりをくったようにしばらく途方に暮れてしまうほど。
威勢良く鳴いていた蝉たちもどこかに姿を消し、代わりに夜の闇に耳をすますと微かな虫の音が聴こえ始めました。

忍び寄る秋の気配を感じつつ、それでもまだ夏の余韻抜けきらないこんなときは、とりわけ静かな音楽に心を傾けてみたくなりませんか。ざわざわと火照った気持ちをそっとクールダウンして、季節の橋渡しをしてくれるようなこの時期におすすめの珠玉集を3枚選んでみました。
(ジャンルもバラバラ、好みもありますので、興味のある方のみお読みください!)

●guitar solo #1 / #2 [AOKI, hayato]

guitar solo #1 / #2 [AOKI, hayato]

ギター1本が奏でる美しい旋律。
初めて聴いたときに浮かんだイメージは「水」でした。
誰も知らない森の奥深くの湖に、気まぐれな風がたてるさざ波。
葉がたくわえた朝露が一滴、足下の水たまりに落ちる音とその波紋。水のように無色透明で清らかなメロディーが、
乾いた体やココロにすーっと染み渡り、浄化されていくのを感じます。朝一番にコップ1杯の水を飲むようにこのアルバムを聴けば、その日一日を清々しく穏やかに過ごせそうです。

●The Melody At Night, With You [Keith Jarrett]

The Melody At Night, With You [Keith Jarrett]

こちらは対照的に、夕暮れから夜にかけて聴きたい一枚。
ジャズピアノに詳しい方には言わずもがなな名盤ですが、
この夏あらためて紐といてみて、その普遍的な美しい旋律に
いつまでも「音」に身を委ねていたいような心地よさを感じました。「今年もひとつ夏が過ぎていく...」という、あのなんともいえない焦燥感とやるせなさに襲われてしまうとき、
隣にそっと寄り添い、すっぽり包み込んでくれるような
大人の夏休みを締めくくるにふさわしい一枚です。

●Rasberry [tico moon]

森の暮らし たいまぐら便り

ギターの影山敏彦さん、アイリッシュハープの吉野友加さんのデュオ。ふたりの紡ぐ音楽は、それぞれの曲がひとつの「物語」のように、聴くひとに懐かしい情景を思い出させてくれます。
昨年完成したこのアルバムも、タイトルどおり甘酸っぱい要素が
ぎゅっと凝縮されていて。
昨秋、私たちのカフェで行なったライブがとても好評だったため、今年も演奏していただけることになりました。
(詳細は店舗HPにて。)森のなかで、鳥のさえずりや樹々が風にそよぐ音と一緒に聴く音楽。最高に贅沢な時間です。

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