連載◎第8回夏の記憶。2009年7月15日更新

ハルニレテラス

 まだ私が幼くて、今暮らしている小屋が家族のセカンドハウスだった頃。 学校が夏休みに入れば、山での長い休暇の始まり。車の屋根にひと夏分の荷物を縛り付け、くねくね山道を揺られて、街から山へとやってきます。

山小屋での毎日には、「大の日」「中の日」「小の日」がありました。「小の日」はどこへも出かけず家でのんびり本を読んだり、宿題をしたり。「中の日」はお弁当をこしらえて近くの森を散策したりハイキング。「大の日」は車を出して、峠を降りた軽井沢へ遊びに行ったり食事をしたり、遠出の日。

青空

今でこそ、車で30分の軽井沢はほぼ毎日のように行き来する生活圏内だけれど、子供心にはよそゆきの服を着て出かける「ハレ」の場所。 そしてこの「大の日」のお出かけ先として特に楽しみだったのが、当時、中軽井沢・千ヶ滝にあった夏だけ開くSデパートでした。
デパートといっても、平屋建てのこじんまりしたものでしたが、中には衣料品から家具、輸入物の食材など、別荘滞在者向けのオシャレなものが揃っていて。建物の手前に長屋のように本屋さんがあったり、奥の中庭には「らくやき」コーナーもあって、親が買い物をしている間、子供たちはお皿や花瓶をペイント、緑の芝生の明るい中庭にはソフトクリー ムやさんもあり、夏の暑い日に買ってもらったアイスの味は格別でした。そこに来ていたおもに別荘滞在中の人たちは、買い物目当てというより も、顔見知りの人と挨拶を交わしたり、情報を交換したり。ひとつのコミュニティとして利用し、楽しんでいたのでしょう。

子供にとっても、夏の短い期間だけ開くきらきらと華やかだった空間は、遊園地のようにワクワクして、特別な場所として今でも記憶に残っ ています。

そのSデパートも十数年以上前に姿を消し、近ごろの軽井沢では古くからあった「集い」のためのお店やスペースも見かけられなくなり残念という声もよく聞きます。 そんななか、この夏、同じ中軽井沢に新しいスポットがオープンしました。星野エリアにできた「ハルニレテラス」という複合ショッピング施設です。

ハルニレテラス全景

日帰り温泉として人気の「トンボの湯」の玄関口にあたり、エコツアーが楽しめる野鳥の森にも隣接しているため、「エコモダン温泉街」というキャッチフレーズが付けられています。

渓流に沿ってウッドデッキの散策路が設けられ、レストラン、カフェ、雑貨店など14のお店が並びます。軽井沢ほか信州をベースとした商品を扱うお店がメイン。あちらこちらに自由に腰かけられるベンチやテーブルもあり、買い物の途中に川辺まで降りて水遊びをしたりもできそうです。

カフェ

オープン間もない平日に訪ねてみたのですが、早速たくさんの人で賑わっていて、地元住民・別荘客・観光客、それぞれが思い思いに食事や散策を楽しんでいました。
眩しい夏の陽射しと木漏れ日。行き交う大人たちの談笑、子供たちの笑い声。耳をすませば鳥のさえずりにせせらぎの音。
その光景は、思い出の中の夏のデパートのシーンとも重なって.......。
「アウトレット」とはまた別の、森の町でのお買い物の愉しみができました。
この場所が、軽井沢に避暑地としてのかつての魅力をもう一度呼び起こしてくれるような、また、ここを訪れる人(特に子供たち)の特別な記憶として残るような、そんな「集い」の場になっていったら素敵なことだと思います。

この夏は、どうぞ軽井沢へお出かけください!

ハルニレテラス
http://www.hoshino-area.jp/ 毎年のことですが、夏のシーズン到来を前に、軽井沢の町に少しずつざわざわとした雰囲気が漂い始めました。 「軽井沢は昔はよく行ったけれど、最近はご無沙汰だなぁ。随分変わっちゃったし...」という方にこそ! 先週末には、以前から話題になっていた注目のNEWスポットもオープン。
この夏、“ふたたびの”軽井沢へ出かけてみませんか?

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